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『ストーリー』
『現代』
山間に拓かれた小さな集落・栄重村。
ここでは、7月15日の盂蘭盆に行う「灯篭流し祭り」が、
古くからの伝統行事として伝えられている。
村の剣道道場の一人息子・阪守鷲志は、
親友の将一、幼馴染の舞とともに、
ひと月後に迫った祭りの準備を手伝っていた。
鷲志は幼いころから剣術を叩き込まれており
村で起こるケンカや揉め事の仲裁約を買っている。
村内でも「灯篭流し祭り」当日の警備を
任せられるだけの信頼を得ていた。
その腕は確かで、並みの大人が数人がかりで襲ってきても、
軽く片付けられるほどの実力をもっている。
そんなある夜、いつものように祭りの準備を終えた帰路。
異変があった。
突然、鷲志と将一の前に全身ズタズタに割かれた村人が
転がりでてくる。
ただならぬ状況を察知した鷲志は、
村人の介抱を将一に任せ、携えていた刀を構えた。
そして、暗闇から吐き出されるように現れたのは、
異形のバケモノ・・・・・・。
「鬼」だった―――
辛くも命拾いした鷲志は、己の剣術が
鬼を倒すためのものであることを父親から聞かされる。
鬼の前ですくみ上がり、ただ恐怖に震えていた自分を恥じた鷲志は、
自ら鬼との戦いに身を投じていく。
鬼との再戦に勝利をおさめた鷲志。
しかし、喜びも束の間だった。
新手の鬼との圧倒的な力の差に翻弄され、
辛くも倒すことに成功するも、
鷲志は精根尽きて湖の底に沈んでいくのだった。
そこは暗黒の中、赤が舞う灯篭世界。
目覚めた鷲志は、鬼を従える謎の女性・各務と出会う。
1200年の時を越えた、「輪廻転生」物語がここに動き出す。
『過去』
西暦780年(宝亀11年)―――
坂上田村麻呂は、朝廷に仇なす蝦夷(えみし)たちの存在を知り、
朝廷軍の討伐部隊に加勢するべく単身出羽国を訪れる。
数で勝る朝廷軍だが、地の利は蝦夷軍あり、
甚大な被害を受けていた。
田村麻呂も自慢の剣技で善戦するも、敗走を余儀なくされる。
・・・・・・が、敗残の兵を逃してくれるほど蝦夷軍も甘くは無い。
田村麻呂は、敵の一軍の手に落ち、捕虜の身となるのだった。
しかし、捕虜として連行されたはずの蝦夷の集落「サカエムラ」で、
田村麻呂は思わぬ厚遇を受け、客人としてもてなされる。
若き村の代表・アルと流によれば、
「サカエムラ」は他の蝦夷の民たちとは違って朝廷への反意は無く、
ただ村の自治を認められたいと願っているという。
村の未来を真撃に考える二人に共感を覚えた田村麻呂は、
「サカエムラ」の意思を朝廷側へ伝える
橋渡し役を引き受けるのだった。
1200年の時を越えて続く因縁の種が、
このとき密やかに芽吹きつつあることを、
田村麻呂たちはまだ知る由も無い―――
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